「自分で何とかしようと思ったんですが、どうにもならなくなって…」。電話口から聞こえてくる、力なく、そして少し気まずそうな声。我々水道修理のプロが現場に駆けつける時、この言葉を何度耳にしてきたことだろうか。大阪では配管から水漏れ修理して交換すると、一件の緊急出動依頼を受け、あるお宅のキッチンへと向かった。そこには、シンク下に広がる水たまりと、途方に暮れた表情で立ち尽くす家のご主人の姿があった。そして、その傍らには、排水管に中途半端に突き刺さったまま、うんともすんとも言わなくなったワイヤーブラシ。その光景を見ただけで、ここで行われたであろう静かで、しかし無謀な戦いの軌跡が手に取るように分かった。 ご主人の話によれば、始まりはよくあるキッチンの水の流れの悪さだったという。週末のDIY気分も手伝って、「これくらいなら」とホームセンターで道具を買い揃え、自ら修理に挑んだそうだ。排水管つまりトラブルは神戸兵庫区では専門チームに任せて、相手は目に見えない配管の奥深く。手応えのないままワイヤーを押し込むうち、それが配管のカーブで引っかかり、抜けなくなってしまった。さらに悪いことに、無理に引き抜こうと力を加えた結果、配管の接続部分が緩み、そこから水が漏れ出してしまったのだ。シンクのつまりを直そうとした結果、床下への水漏れという、さらに深刻な二次災害を引き起こしてしまった典型的なケースだった。 この仕事をしていると、こうした「良かれと思ってやった」DIY修理の失敗現場に数多く出くわす。自分で何とかしたい、費用を節約したいという気持ちは痛いほど分かる。しかし、排水管の中は、我々が思う以上に複雑でデリケートな世界だ。長年の油汚れが岩のように硬化していたり、配管自体が老朽化して脆くなっていたり、あるいは木の根が侵入していることさえある。そうした内部の状況を正確に把握しないまま、闇雲に物理的な力を加えることは、時限爆弾の信管をいじっているようなものだ。その結果、本来なら数万円で済んだはずの修理が、床や壁を剥がして配管を交換する数十万円規模の大工事に発展してしまうことも決して珍しくはない。 我々プロが行う作業は、まず専用のカメラで配管の内部を調査し、つまりの原因と場所を正確に特定することから始まる。原因が分かれば、それに応じた最適な機材、例えば高圧洗浄機で汚れを粉砕したり、専用の器具で異物を除去したりする。それは、外科医がレントゲン写真を見ながら、メスを入れる箇所を慎重に判断するのと同じだ。この「診断」のプロセスを抜きにして、いきなり手当をしようとすることの危険性を、ぜひ知ってほしい。 あの日のお宅では、幸いにも配管の交換までは至らず、特殊な工具でワイヤーを回収し、高圧洗浄でつまりを解消することができた。作業が終わり、スムーズに水が流れるようになったシンクを見て、ご主人が漏らした「最初からプロに頼めばよかった」という一言。その言葉の重みを、私は誰よりも知っている。下水のつまりというトラブルは、DIYの腕試しをするにはあまりにもリスクが高すぎる相手なのだ。その戦いに挑む前に、一度だけ思い出してほしい。見えない敵との戦いは、その道のプロに任せるのが、最も賢明な選択であることを。
水道屋が見たDIY修理の果て下水つまりとの戦い