我が家の給水管は大丈夫?種類と劣化の知識
給水管にも様々な種類があり、それぞれに特徴や寿命、劣化のサインが異なります。自宅の給水管について知っておくことは、水漏れなどのトラブルを未然に防いだり、早期発見したりするために役立ちます。現在、日本の住宅で主に使用されている給水管の材質は、主に「架橋ポリエチレン管」「ポリブテン管」「塩ビライニング鋼管」「ステンレス鋼管」「銅管」などがあります。1990年代後半以降に建てられた比較的新しい住宅では、柔軟性があり錆びず、耐熱性・耐寒性にも優れた「架橋ポリエチレン管」や「ポリブテン管」といった樹脂系の配管が多く採用されています。これらは耐久性が高く、一般的に30年以上の寿命があるとされていますが、紫外線に弱いという弱点もあります。一方、それ以前の建物、特に1970年代から90年代にかけて建てられた住宅では、「亜鉛メッキ鋼管(鉄管)」や「塩ビライニング鋼管」が多く使われていました。亜鉛メッキ鋼管は、安価で丈夫な反面、非常に錆びやすく、20年程度で内部に錆こぶが発生したり、腐食によるピンホール(小さな穴)が開いたりして、赤水や水漏れの原因となりやすいという大きな欠点がありました。そのため、現在ではほとんど使用されていません。「塩ビライニング鋼管」は、鋼管の内側を塩化ビニルでコーティングし、錆びにくくした改良版ですが、管の端部や接続部分から劣化が進みやすく、やはり20~25年程度で寿命を迎えることが多いとされています。また、給湯配管などには「銅管」が使われることもあります。銅管は熱伝導率が高く加工しやすい反面、腐食(緑青)や、水質によってはピンホールが発生しやすいという側面もあります。比較的高級な住宅や、耐久性を重視する場合に「ステンレス鋼管」が用いられることもあります。非常に錆びにくく耐久性が高い(寿命40年以上とも)のが特徴ですが、材料費や施工費が高価になる傾向があります。自宅の給水管の種類を知るには、築年数や、水道メーター周り、露出している配管などを確認するのが手がかりになります。それぞれの材質の特性と一般的な寿命を理解し、築年数が経過している場合は、水漏れの兆候がないか注意深く観察したり、専門家による点検を検討したりすることが、安心な水環境を維持するために重要です。