築30年マンション止水栓固着との戦い
築30年を超える分譲マンションに住む田中さん(仮名)は、先日、洗面台の蛇口を交換しようと思い立ちました。DIYが得意な田中さんは、自分で交換作業を行うことに決め、まずは洗面台下の止水栓を閉めようとしました。しかし、ハンドル式の止水栓は、びくともしません。力を込めても全く回る気配がなく、長年の固着を物語っていました。無理に回して配管を傷つけては大変だと考えた田中さんは、ひとまず作業を中断。管理組合に相談したところ、「共用部分ではないため、専有部分の止水栓の修理や交換は自己負担になる」とのこと。ただし、作業のために一時的にマンション全体の元栓を閉める必要がある場合は、事前に連絡が必要だと説明を受けました。田中さんは、自分で無理に回すのは危険だと判断し、専門の水道業者に依頼することにしました。数社の業者に見積もりを依頼したところ、料金に幅があることが分かりました。単に固着した止水栓を回すだけの作業で済む場合と、止水栓自体の交換が必要になる場合で、費用が大きく異なるようです。結局、現場を見てもらった上で、最も信頼できそうな業者に依頼することにしました。現場を確認した業者は、「かなり固着が進んでいますね。無理に回すとスピンドルが折れるか、配管との接続部から漏水するリスクが高いです。交換した方が安全確実でしょう」と診断。田中さんは交換を選択しました。交換作業当日、業者はまず、マンションの管理人に連絡を取り、一時的に水道の元栓を閉めてもらいました。その後、古い止水栓を慎重に取り外し、新しい止水栓を取り付けました。作業自体は30分ほどで完了。新しい止水栓は、軽い力でスムーズに回ります。元栓を開けてもらい、水漏れがないことを確認して、作業は無事終了しました。費用はかかりましたが、田中さんは「無理に自分でやらなくて正解だった。これで安心して水回りのメンテナンスができる」と安堵しました。この事例のように、特に古い建物の場合、止水栓が固着しているケースは珍しくありません。回らない場合は無理をせず、交換も視野に入れて専門業者に相談することが、結果的に安全で確実な解決策となることが多いようです。