水漏れなどの緊急時に、頼みの綱である止水栓が固くて回らない。そんな絶望的な状況でも、諦める前に試せる対処法がいくつかあります。ただし、大前提として無理は禁物です。力を入れすぎると、止水栓本体や接続されている配管を破損させてしまい、さらに状況を悪化させる可能性があります。安全第一で、慎重に試してみてください。まず、止水栓のタイプを確認しましょう。ハンドル式か、マイナスドライバーで回すタイプかによって、アプローチが異なります。ハンドル式の場合、素手で回らないときは、タオルやゴム手袋などを巻いて、滑り止めと力を入れやすくする工夫をしてみましょう。それでも回らない場合は、ウォーターポンププライヤーやモンキーレンチなどの工具を使う方法があります。ただし、工具を使う際は注意が必要です。ハンドル部分を直接掴むと、ハンドルが破損したり変形したりする恐れがあります。ハンドルではなく、ハンドルの根元にあるスピンドル(軸)部分や、ナット部分を掴んで回すようにしましょう。この際も、一気に力を加えるのではなく、じわじわと力を加えたり、軽く叩くような衝撃を与えたりしながら、少しずつ動かすことを試みます。マイナスドライバーで回すタイプの場合は、まずドライバーのサイズが溝に合っているかを確認します。サイズが合っていないと、溝をなめてしまい(潰してしまい)、ますます回せなくなります。適切なサイズのドライバーを溝にしっかりと押し当てながら、体重をかけるようにしてゆっくりと回します。こちらも、固い場合はハンマーでドライバーの柄を軽く叩き、衝撃を与えながら回してみると、固着が剥がれることがあります。また、どちらのタイプの場合も、市販の浸透潤滑剤を吹き付けてみるのも有効な手段です。止水栓の隙間に潤滑剤をスプレーし、しばらく時間をおいてから再度回してみると、固着が緩和されて回ることがあります。ただし、潤滑剤の種類によってはゴム製のパッキンを劣化させる可能性もあるため、使用する際は注意書きをよく確認しましょう。これらの方法を試しても全く回らない、あるいは少しでも破損の恐れを感じる場合は、それ以上無理をせず、速やかに専門の水道業者に依頼することをお勧めします。
固くて回らない止水栓に試せること