トイレの謎の音原因はタンク内部かも

誰も使っていないはずのトイレから、なぜか音が聞こえてくる。そんな不思議な経験はありませんか。特に深夜、静まり返った家の中で聞こえる「シュー」「ポタポタ」といった音は、気になり始めると眠れなくなるほど不快なものです。一体、何もしていないのにトイレから音がする原因は何なのでしょうか。多くの場合、その原因はトイレタンクの内部に隠されています。トイレタンクの中には、水を溜めたり流したりするための様々な部品が組み込まれています。これらの部品が経年劣化や不具合を起こすことで、異音が発生することがあるのです。最も一般的な原因の一つは、タンク内の水量を調整している「ボールタップ」や「フロートバルブ」と呼ばれる部品の不具合です。これらの部品が劣化すると、水が完全に止まらなくなり、少量の水が便器へ流れ続けてしまうことがあります。この時に「シュー」という細い水の流れる音や、水面が揺れる「チョロチョロ」といった音が聞こえることがあります。また、タンク内の水を便器に流す役割を担う「フロートゴム球」や「フロートバルブ（排水弁）」が劣化したり、ゴミが挟まったりして、完全に密閉できなくなっている場合も同様です。タンクに水が溜まっているにも関わらず、便器内に水が少しずつ流れ続けるため、「ポタポタ」という水滴の音や、やはり「シュー」という音がすることがあります。この状態が続くと、タンクは減った分の水を補充しようとするため、断続的に給水が始まり、その際の音も異音として認識されることがあります。さらに、タンクへ給水する管の接続部分や、ボールタップ本体から微量の水漏れが発生している場合も、音がすることが考えられます。普段目にすることのないタンク内部ですが、常に水に浸かっているため、部品の劣化は避けられません。特にパッキンなどのゴム部品は、時間と共に硬化したり、ひび割れたりしやすい部分です。もし、トイレから原因不明の音が聞こえてきたら、まずはタンクの蓋を開けて内部を観察してみることをお勧めします。水面が不自然に揺れていたり、便器内に水が流れ続けていたりしないか確認してみましょう。ただし、自分で部品を交換するのは難しい場合もあります。原因が特定できない場合や、作業に不安がある場合は、無理せず専門の水道業者に点検を依頼するのが賢明です。放置すると、水道代の増加や、さらなる故障につながる可能性もあります。