洗面台の交換を検討し始め、いざカタログやショールームを覗いてみると、その進化の度合いに、きっと驚かされることでしょう。かつての洗面台が、単に「顔を洗うための場所」であったのに対し、現代の最新の洗面台は、私たちの暮らしを、より快適に、より豊かにするための、様々な革新的な機能と、美しいデザイン性を備えた、一つの「多機能空間」へと変貌を遂げているのです。最新の洗面台のトレンドとして、まず挙げられるのが、「清掃性の向上」です。最大の悩みであった、水栓金具の根元に溜まる水垢や、カビの問題。これを解決するために、水栓が、壁から直接出ている「壁付け水栓」や、洗面ボウルの上の、ハイバックカウンターから立ち上がる「ハイバック式水栓」が、主流となりつつあります。これにより、水栓の根元に水が溜まることがなくなり、さっと一拭きするだけで、いつでも清潔な状態を保つことができます。また、排水口も、従来のような金属のフランジ(縁)をなくし、ボウルと一体成型にすることで、汚れが溜まる隙間そのものをなくした、掃除しやすいデザインが人気です。次に、「収納力の大幅な進化」も、見逃せません。デッドスペースになりがちだった、ミラーキャビネットの裏側や、洗面ボウルの下の空間を、最大限に活用するための、工夫に満ちた収納アイデアが満載です。引き出しタイプのキャビネットは、奥の物まで取り出しやすく、デッドスペースになりがちな排水管を避けて、効率的に収納できる形状に設計されています。ミラーキャビネットも、三面鏡の裏側全てが収納になっているのはもちろんのこと、充電用のコンセントが内部に設置されていたり、曇り止めヒーターが標準装備されていたりと、使い勝手が格段に向上しています。さらに、「節水・省エネ性能」も、現代の洗面台には欠かせない要素です。水に空気を含ませることで、少ない水量でも、たっぷりの洗い心地を実現する「エコ水栓」や、鏡を見るだけのつもりが、無意識にお湯を出してしまうのを防ぐために、レバーの中央までは水しか出ないように設計された「エコハンドル」などが、標準装備となりつつあります。そして、LED照明の採用により、消費電力を抑えながらも、顔全体を明るく照らし、メイクや髭剃りがしやすい、快適な空間を実現しています。