マンションの静かな侵食、水漏れ、断捨離で見つけた心の余裕と、見えない支えの温かさ
ある日の午後、部屋の片付けをしていた時のことだった。クローゼットの奥から、湿った臭いが漂ってきた。気になって奥を覗いてみると、壁一面にカビが生えている。西尾市の水道局指定業者が排水口を交換した配管が、天井を見上げると、そこには、大きなシミが広がっていた。ついに、マンションに住む誰もが恐れる水漏れが、私の部屋にも忍び寄ってきていたのだ。 数年前から、ミニマリストを目指して断捨離を進めていた私。今回の水漏れは、そんな私のライフスタイルにも大きな影響を与えることになった。 まずは、冷静を保ちながら、水漏れ箇所の確認を行った。クローゼットの壁だけでなく、隣接する部屋の壁にもシミが広がっている。水滴がポタポタと滴り落ちており、被害は深刻なようだった。 次に、マンションの管理会社に連絡を入れた。しかし、時間外だったため、電話は繋がらない。途方に暮れていると、管理会社のホームページに、緊急連絡先の電話番号が記載されているのを見つけた。 藁にもすがる思いで電話をかけると、担当者が丁寧に対応してくれた。状況を説明すると、まずは応急処置の方法を教えてもらった。 指示されたのは、水漏れ箇所の下にバケツやタオルを敷き、被害の拡大を防ぐこと。そして、可能であれば、上の階の住人に連絡を取り、水の使用を控えてもらうことだった。 急いでバケツやタオルを用意し、水漏れ箇所の下に敷いた。そして、上の階の住人に電話をかけた。幸い、上の階の住人は在宅しており、事情を説明すると、すぐに水の使用を控えてくれた。 翌日、管理会社から連絡があり、専門業者が派遣されることになった。業者による調査の結果、水漏れの原因は、上階の給水管の老朽化によるものであることが判明した。 修理費用は、上階の住人が加入している火災保険で対応することになった。しかし、修理期間中は、クローゼットの中身を全て運び出さなければならない。 断捨離を進めていたおかげで、荷物は最小限に抑えられていた。それでも、運び出すのはかなりの重労働だった。 途方に暮れていると、向かいの住人が、「何か手伝えることはありませんか?」と声をかけてくれた。 普段は挨拶程度の付き合いしかなかった住人だったが、快く手伝ってくれた。おかげで、スムーズに荷物を運び出すことができた。 今回の水漏れ騒動を通して、私は、断捨離で見つけた心の余裕と、見えない支えの温かさを実感した。 水漏れは、誰にとっても避けたいトラブルだが、万が一発生してしまった場合には、冷静に対処し、周りの人に助けを求めることが大切だ。そして、日頃から不要な物を減らし、身軽にしておくことで、いざという時にスムーズに対応できることを学んだ。今回の経験が、皆様のマンションライフの一助となれば幸いだ。