真夜中のトイレ異音眠れぬ夜の原因探し
ベッドに入り、うとうとし始めた頃、どこからともなく「シュー……」という微かな音が聞こえてくるのに気づいたんです。最初は気のせいか、あるいは外の音かと思ったのですが、どうも家の中から聞こえてくるようです。耳を澄ますと、音の発生源はトイレの方向から。まさか、と思いながらも気になってしまい、眠気が吹き飛んでしまいました。そっと寝室を出てトイレのドアを開けると、やはりタンクの方から音がしています。誰も使っていないのに、なぜ?不安な気持ちでタンクの蓋をそっと持ち上げてみました。中は暗くてよく見えませんでしたが、懐中電灯で照らしてみると、水面がわずかに揺れているような気がしました。そして、便器の中を覗き込むと、水が流れた跡のように、便器の内側が濡れているのが分かりました。どうやら、タンクから便器へ、ほんの少しずつ水が流れ続けているようです。その水の流れる音が「シュー」という異音の原因だったのです。とりあえず、その日は応急処置として、タンクの横にある止水栓をマイナスドライバーで閉めてみました。すると、ピタッと音が止んだのです。これで一安心、と再びベッドに戻りましたが、今度は「なぜ水が漏れているんだろう?」「修理はいくらかかるんだろう?」という心配事が頭を巡り、結局その夜はあまり眠れませんでした。翌朝、改めてタンクの中を確認すると、水を溜めるための浮き球(フロートバルブ)を支えるアームの付け根あたりから、水が微妙に滲み出ているように見えました。また、便器に水を流すためのゴム栓(フロートゴム球)も、触ってみると少し劣化して硬くなっている感じがします。おそらく、これらの部品のどちらか、あるいは両方が原因で水漏れが起きているのだろうと推測しました。自分で部品交換も考えましたが、下手に触って悪化させるのも怖かったので、結局、近所の水道屋さんに連絡して見てもらうことにしました。結果、ボールタップという給水装置の内部パッキンと、フロートゴム球の両方が劣化していたことが判明し、交換してもらいました。修理後は、あの不快な「シュー」音も完全に消え、夜も安心して眠れるようになりました。たかがトイレの異音、と軽く考えていましたが、放置すれば水道代も無駄になりますし、何より精神衛生上良くありません。原因不明の音がしたら、早めに対処することの大切さを痛感した出来事でした。